日本青年会議所 建設部会 2025年度 部会長所信

第59代部会長 中西雄一

2025年度スローガン

「土台」
~ 建設部会を通じて一生忘れられない感動を生み出す ~

【はじめに】
 青年会議所のこの組織をどのように継続させていくべきなのだろうか。
建設部会にしかできない事、建設部会だからできる事を創造する。建物の土台のようになくてはならない大切な物、人としての信念の土台、今後の人生の土台となる交友関係を全国に構築し、建設部会から豊かで明るい社会の実現を目指します。
建設部会は、設立趣意書にも記載がある通り、業界内部の山積み問題を解決するべく建設関係に携わるJC会員が、相互の連携を取り建設産業の発展に向けて活動してまいりました。59年目を迎えることができるのも、建設部会に対して多くの先輩諸兄姉が熱く大きな志をもって活動に取り組まれてきた賜物だと感じております。
 昨今の建設業は、日本国内のインフラを支える重要な役割を担っております。しかし、若者の建設業離れによる人手不足や、建設技術者の高齢化は変わらず不安なままであり、近年においては物価上昇による資材の高騰、倒産件数が増加し、この先もこれらの問題と向き合う必要があります。また、働き方改革の推進による関連法が適応され、働き手による明るい兆しは見えている一方で、雇用する側の厳しい現状も課題として残り、先行き不安な状況が続くことが想定されます。
 建設業界において様々な課題がある中、本年もその課題解決のきっかけとなる活動を推進してまいります。

【防災意識を高める運動】
 私たちが住み暮らす日本は、様々な災害が起こり世界有数の災害大国と言われています。台風、地震、津波、豪雪など地域間によって起こりうるものは異なりますが、常日頃より各個人が防災対策の意識をもつ必要があります。地震においては、南海トラフ地震、首都直下地震など広範囲、多くの方が犠牲になる可能性が高い巨大災害が想定され、台風や豪雪においては近年の異常気象により想定がつかない規模の災害が起こります。本年度は、災害時の知識を養うことで、各々の地域で行動ができる力を身につけ、災害時における建設業の役割を再認識します。また災害時に支援できる体制をより高めます。

【会員間の交流と営業スキルを学ぶ定例会の実施】
 青年会議所会員⼜は青年会議所シニア会員として日頃活躍する私たちの軸はビジネスです。建設部会綱領にも記載がある通り、私たちはビジネスを中心に会員の交流と各々の資質向上と企業の成⻑が求められています。建設業という大きい枠の中で、様々な専門職があり、問題や課題が異なることがありますが、行動を起こすこと、即ち挑戦をすることはどの業種にもあてはまることであります。また働くことにおいて労働生活を充実させることも経済人として忘れてはいけません。近年の異常気象や労働人口の減少も建設業が抱える問題です。本年度も、様々な角度から皆さまのビジネスライフが更に充実するきっかけとなる定例会を実施します。

【インフラ整備の重要性を学ぶ国際ミッションの実施】
 世界共通でインフラ整備は重要であり、そのインフラを支えているのが建設業です。世界を見渡すと政府主導でインフラ開発を中心に大規模な施策がとられ、コロナ禍で停滞した国も需要の回復が見込める状況となっています。今後日本の建設産業を牽引する私たちも世界を学ぶことでインフラ整備の重要性を感じていただくきっかけとなる事業を実施します。

【魅力溢れる建設部会の情報発信】
 現在、建設部会は全国各地に28クラブ、会員数約2000名が在籍しています。各地域においても建設業関係者や同業者の組合など様々存在していますが、この団体は青年会議所会員の集まりということが他の団体とは異なります。20歳から40歳までの青年期に世のため人のためと尽力をされてきた人の集まりだからこそシニアと現役がLOMの垣根を越えて全国各地の会員との交流が活発となり、それが建設業関係者で集まることでさらに強固な関係性を築くことができると感じています。本年度も、サマーコンファレンスでブースを設置しさらに魅力ある建設部会を創るために、会員の増強を行います。そして先を見据え、新たなクラブ創設に向けて行動を起こすきっかけを作ります。

【大阪・関西万博への積極的な参画、女性雇用推進定例会の実施】
 私たちがJC・建設部会の活動ができるのは会社の仲間や大切な人の支えがあるからだと考えています。私たちは常に先を見据えた行動を求めている一方で、会社の仲間や家族は今、目の前で起こることに対して解決を求めています。見ているものさしは異なりますが、日々の当たり前のことに対し、感謝の気持ちを持ち、接することで私たちの活動をさらに充実させることができます。
 大阪・関西万博ではブース出展にエントリーし、万博への積極的な参画、女性雇用推進を発信する機会を設けることで、多くの方に建設部会の活動を理解していただきます。

【課題解決のための関係省庁との交流・連帯意見交換会議の開催】
 建設業は国のインフラを担っており、人々の生活には欠かせない業種であります。しかし、企業を存続していく上で常に問題と直面し、その課題解決を進め、経営を続けていかなければなりません。本年度も各地域の明るい未来のために、各省庁の方々と意見交換を行い、課題解決の一歩となる機会を創ります。

【魅力あふれる全国部会員大会の実施】
 これまで58年間、様々な先輩諸兄姉が紡いでこられた、建設部会に対する想いを次年度へ引継ぐ、全国部会員大会式典を本年も開催します。全国部会員大会はその年度の集大成の場であり、多くの皆さまが集うことで活気溢れる大会を実現します。本年度は式典と同日に卒業式を開催します。全国各地から集まる大勢の会員の皆さまと卒業生を祝うことで次年度に向けてより一体感をつくれる場を創出します。

【おわりに】
 昨今の建設業は、円安の影響により新築着工棟数が落ち込み、企業の利益確保や人財確保を激しく意識する業種であると感じます。若者の建設業離れによる人手不足や、建設技術者の高齢化は変わらず不安なままであり、近年においては資材の高騰、倒産件数が増加し、この先もこの課題と向き合う必要があります。また、働き方改革の推進による2024年問題が適応され、働き手による明るい兆しは見えている一方で、雇用する側の厳しい現状も課題として残り、先行き不安な状況が続くことが想定されます。様々な不安を払拭するために、約2000名の会員を有する建設部会のネットワークが益々有益であり、心強い存在になると私は考えております。建設業界においては2025年には大阪万博、その後は大阪IR構想を始め、様々な明るい話題も続きます。また、日本国は災害大国とも言われるよう「台風」「地震」「火山噴火」「大雨」など様々な災害が起こります。災害時には瞬時に対応できるネットワークがあるのも全国各地にクラブが存在しているからだと考えると、クラブ間との連携や会員の拡大が特に重要であると感じます。さらには、再生可能エネルギーの重要性や、日本の技術の継承・創出などまだまだ考えていかなければならないことがあります。それらを考えるきっかけをつくることが重要であり、新たな学びや成⻑を各地域に持ち帰ることで建設業界から各地域の活性化の一助になると考えます。
 私たちは経済環境の悪化、自然の脅威など厳しい環境に日々直面しています。その中で、今まで当たり前と思っていた家族との時間、仲間との時間、日々の仕事が当たり前ではなく、様々なことに感謝をする気持ちを持つことが今後の活動の源になると考えます。これまで全国各地の諸先輩方、また現役会員の皆さまと交流をさせていただき、出来ないことが出来る様になった時の達成感「一生忘れられない感動」を生み出す事ができました。2025年大阪万博が開催させる今こそ、大阪からそして建設業界からそれぞれの新たな「感動」を生み出したいと強く願い、希望をもたらす変革の土台となり諸先輩方から受け継がれてきた想いをしっかりと未来に繋げるように一年間活動に取り組ませていただきます。