日本青年会議所 建設部会 2020年度 部会長所信

~歴史の継承と魅力ある建設部会への挑戦~

【はじめに】

第54代部会長
坂口 輝昭

高度経済成長期だった1966年、いざなぎ景気と言われていた時代に建設部会は創設されました。それから53年が経った現在、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会を控え、建設業界は繁忙と発展の最中にあります。本大会が開催される2020年に54年目を迎えることができるのも、これまで、日本の建設業界、建設部会に対して、熱い志を持ち活動されてきた先輩方がいらっしゃったからこそだと感じております。

これまで建設部会を築いてこられた先輩方の熱い志を引き継ぎ、この度、大役をお受けするにあたり、多くの皆様からのご支援を頂いて、今があることへの感謝の気持ちを忘れず、歴史ある建設部会の「絆」を未来へと繋いでいけるよう、挑戦して参ります。

昨今、建設業界、各地青年会議所、建設部会にとって「人材不足」は共通の課題であります。この課題は、需要側・供給側との間に情報の不一致がある事が原因の一端であると考えます。そして、建設部会と各地建設クラブの間にもこの課題がございます。私は、このような問題意識のもと、この歴史ある建設部会を継続し、会員企業の発展・繁栄に繋げるためにも、以下の諸項目について組織として改革に挑戦して参ります。

【各地建設クラブの活性化】

まず、各地建設クラブの更なる活性化のための支援を行います。

現在、全国に29ある各地建設クラブが抱えている問題は様々です。それぞれの問題をヒアリングし、的確なサポートを行う事によって、各地建設クラブの活性化へと繋げます。必要とされる情報を発信し、しっかりとサポートができる組織であれば、少子高齢社会の中でも「人材不足、会員減少」の問題は解決し、建設部会・会員企業の繁栄に繋がると確信しています。

そこで、各地建設クラブのクラブ活動のさらなる活性化を目的とし、会員拡充委員会による各地建設クラブへのヒアリングとフォローアップを行います。さらに、収集した情報を広報室にて拡散することで、建設部会の魅力や存在を知らないメンバー、一般の方にも情報を届けます。また、個人会員とも情報共有を密に行いフォローアップして参ります。

「建設部会に入会したいから、青年会議所に入会する」という仲間が増えることは各地青年会議所の拡大にもつながります。そして、新規入会メンバーについても会員拡大委員会と会員拡充推進委員会が連携しフォローアップを行いメンバーの定着にも力を入れて参ります。

【建設部会を担う人材の発掘】

建設部会を担う人材の発掘、そのための会議の合理化にも挑戦します。
建設部会は各地建設クラブで構成されており、各地建設クラブでも事業が開催され、それゆえの規模と成果を誇ります。このような建設部会であるからこそ、建設部会を担う人材を発掘するためには、毎回参加できないメンバーの巻き込みを図ることが必要です。

そこで、会議参加の負担を軽減する為、前日正副部会長ミーティングの代替として「正副部会長電子会議」の導入を試みます。
これにより、会議出席者のみならず、定例会を主管する各地建設クラブの負担を軽減し、正副部会長会議を29クラブどこでも開催できる状況を早期に実現することを目指します。

また、各事業に対して会議に出席できない建設部会役員からも意見・質問を事前収集した上で議案作成を行い、常任委員会議にてご審議頂くものとします。そうする事で、全役員間でコンセンサスの取れた建設部会運営の実現を目指します。 以上のような手段により、役員や各地建設クラブの負担が軽減できれば、今まで参加できなかった人員を確保することができ、2021年度に向けて、建設部会役員として活躍できるメンバーが増える環境づくりが実現出来ると考えます。

【建設部会活動の情報発信】

建設部会の情報発信に積極的に挑戦します。
情報伝達が必ずしも十分でないことにより、本来成し得るはずの会員拡大・会員拡充が実現できていないのではと考えます。

そこで、会員拡大推進室、会員拡充室、広報室が連携し、建設部会・各地建設クラブにて開催する事業の情報発信を強化します。これにより、事業への動員を図ると共に入会希望者の増加へと繋げます。

メンバーの増加は新たな発想を生み、新たな事業を成し遂げる力となります。そのため、個人会員・新設クラブへのフォローアップにも力を入れ、新しい原動力として、建設部会の発展に繋げていきます。

【建設業界を取り巻く労働環境】

昨今、海外からの技能実習生の受け入れによって、人材を確保する時代へと移り変わっていくことが予想されます。外国人技能実習制度は、2017年に、外国人の技能の習得の向上のため大きく見直されましたが、帰国した際に実際に建設業に就く外国人は過半数以下であることが知られています。

技能実習生をただの「働き手」とせず、各企業の技術を習得してもらうことにより、帰国した外国人と今後の連携が可能になり、各専門分野での日本企業の海外進出の可能性も拡大するはずです。

一方、労働環境面についても、日本人の若年層・女性、外国人にとって働きたい業界となるように問題提起すると共に、企業が学び、職場の労働環境を働く方にとって働きやすく改善する必要があると考えます。

【全国部会員大会】

2016年に開催された、設立50周年記念式典・祝賀会により、近年、全国部会員大会への登録数が増加傾向にあります。本年も全国各地からご参集いただく現役・シニア会員にとって有意義な時間となると共に、日頃から建設部会活動にご協力頂いていることに対し心から感謝申し上げる場とし、建設部会メンバーの「絆」が更に強固となるよう開催します。

【人材確保に向けた研究・発信】

建設業は、特に景気、為替、外交等、外部環境に大きく影響を受ける業界であるからこそ、企業の発展に欠かせないのが「人材」です。

人材は我々建設業界の宝であり、「人材不足」は多くの企業が抱えている問題です。それにもかかわらず、企業側のニーズと働き手側のニーズが一致していない事で、本来できうる人材確保が難しい状況になっております。

建設業界に対して抱かれているイメージは必ずしも良いものではありません。社会 全体ではテレワークの導入等働き方改革が進んでいる中、建設業界の業務内容は多種多様であり、中には専門技術がないとできない難しい業務も存在し、働き方改革は容易に実現できないのが現状です。

一方で、専門技術がなくてもできる作業は、企業と適切な人材をマッチングすることにより業務改善につながり、社員満足度も上がり、建設業界のイメージが改善することで、若手の人材確保につながります。

このような労働環境改善に向けた先進的な取り組みをしている会員企業にヒアリングを行い、建設部会メンバーに情報発信・知識共有を図ります。

【関係省庁との意見交換】

本年度も、引き続き、継続事業として建設部会に関係する省庁や各団体との連携を積極的に行って参ります。各省庁と直接意見交換ができることは建設部会ならではのことです。

建設業界の企業経営において看過することができない「人材不足」問題、取り組むべき「働き方改革」等について、年間事業を通じて会員企業から情報を集め、様々な問題点、改善策等を吸い上げ、関係省庁に対し根拠として提出します。

大企業だけでなく、多種多様な中小企業で構成されている建設部会だからこそ抱えている問題についても協議、提言する機会を持ち、会員企業の発展につなげていきます。

また、本年度も建設トップランナーフォーラムへ参加し、同業他社の取組について情報収集し、当日参加できないメンバーに対して発信することで、良学び、良取り組みの情報共有を行います。

【交流の活発化とビジネスネットワークの構築】

建設部会の魅力は、全国各地から集う2000名超の会員によって構成されたネットワークがあること、そして、現役メンバーとシニア会員が共に活動できることにあります。本年度も引き続き現役メンバーとシニア会員との交流を活発に行い、さらに発展的な交流活動を行います。現役メンバーとシニア会員との交流を通じ、ビジネスネットワークを強化することで、部会の目的であるビジネスを中心とした会員の交流を活性化させ、会員企業の成長を図ります。

【不測の事態への備え】

建設業界は、災害時における応急復旧活動、その後の復興等、地域社会の維持・構築に不可欠な役割を担っています。近年、日本青年会議所及び業種別連絡会議が特定非営利活動法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)と連携し、災害時への備えを図っております。そこで、建設部会としても各地建設クラブ及び関係団体等から得た情報を精査し、迅速かつ的確な初動対応が出来る仕組みづくりの構築を行って参ります。

【結び】

先輩方から脈々と受け継がれてきた日本青年会議所建設部会53年の歴史や想いをしっかりと継承し、その志を分かち合い、共に歩める仲間たちとの強く固く結ばれた「絆」を築いて参ります。

建設部会がこれからも魅力ある組織であり続けるために、建設部会の存在意義をしっかりと認識し、伝えて参ります。また、この絶えず変化し続ける建設業界において、全国的なネットワークを活用し、情報を発信・共有していくことで、会員企業の発展に活かしていただきたいと考えます。同じ時間を共有する仲間と挑戦し、共に成長できる1年となるよう務めて参りますので、皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

第54代部会長 坂口 輝昭